春の雪 2012.03.10 Saturday
- Tomoko Arahori
- 2020年7月27日
- 読了時間: 2分

プリンのカラメルを作る時に、シナモンをスティックがわりにべっこう飴を2つ3つ作り、熱々のミルクティを煎れて、添えました。
カラメルはカップの中でゆっくりと溶けてゆき、シナモンの香りが優しくほんのりと香ります。
朝起きて、窓の外を見たら雪が降っていました。灰色の低い空の下、春とはまだ名ばかりの寒さでした。
東日本大震災より、まもなく1年。
東京大空襲より、今日で67年。
大震災では約2万の方々が、大空襲では10万の方々が、亡くなりました。
大切な方を、突然失くされた方にとっては、何度暦が、何度その日が巡り巡ってきても、何の気持ちの区切りにもならないのでしょうね。
どこかで、こんな文を目にしました。
>どうしてまた海のそばに住み続けようとするのか。
>復興をする事とは、いつかまた新しい被害を生む手助けでもあるのだ。
同じような復興をしてしまったら、何百年後にまた大津波がやってきた時、
またたくさんのものが壊れ流され、命も失われる。悲劇は繰り返される。
こんなに恐ろしい目にあったのに何故、また同じ場所に住み続けよう、
街を元通りにしようと考える人がいるのか、と
これを書いた人はこう言いたいのだろうか、と思いながら読みました。
全員が全員そうではない。
実際に丸ごと高台移転を考えている地区だってある。
そこに住まない選択をした方もたくさんいる。
人のことはいくらでも言える。
東京に住んでいる私たちだって、
関東大震災であんなに被害を被ったのに、また必ず地震は起きると言われているのに、
なぜ東京なぞに暮らしてるのか、逃げないのか、と言われるのと同じ事でしょう。
地震が来たらそん時はそん時だよ、
さらっと笑ってインタビューに答えている人がいた。
(じゃぁ、どうしろというのだと。)
(どこで暮らせというのだと。)
(どこなら絶対に安全なんだと。)
(その先の生業はどうなるんだと。)
国がそっくりお金を出して、今の暮らしをそのままそっくり、
絶対に安全な場所に再現してくれるなら行くという人は多いと思う。
日本は海に囲まれ、国土の70パーセントが山岳地である狭い国。
そんな場所はほとんんどないのよね。今の日本にそんなお金もない。
自分の身に置き換えてみたら、
理想論は必ずしも完璧でもなく、正論でもないということに気付ける。
壊れたままの三陸鉄道。
石巻に住んでいた時に、私も乗ったことがあります。
海沿いをゆく、風光明媚な鉄道です。
同じルートでの再開を願い、心待ちにする人たち。
復興を願うことは、刹那的なやるせなさと、折り合いを付けていくことなのでしょうね。



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