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桂信子さん ::: 2018.08.26 Sunday

  • Tomoko Arahori
  • 2020年7月31日
  • 読了時間: 2分

美しいしい装丁。

ゆっくりと少しづつ読もうと思いこの夏を前に思い切って買いました。

桂信子さんの全句集です。桂さんの句のことを知ったのはつい少し前のことです。 

とあるご縁より、ずっと拝読させていただいているかたの随筆の中ででした。


    ひとづまにゑんどうやはらかく煮えぬ

  

    ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜


    窓は雪女体にて湯をあふれしむ 

    艶めかしいものばかりをピックアップしてしまいましたが

    もちろんそれだけではありません。


1914年、大正3年の生まれで平成4年に90歳でお亡くなりになられた俳人です。

結婚して2年目に急の病でご主人を亡くされ、空襲で家を失うなど、戦前戦後の激動の昭和の時代を生きて、お勤めのかたわら句作を続けていらっしゃったかたでした。

去年亡くなった私の祖母も生前は俳句に親しんでいて、遺稿となった句集を時折眺めては、五七五の言葉の中にちりばめられている祖母の想い、96年の人生について想いを馳せています。同じ戦前戦中戦後という時代に女盛りを生きてきた女性は、いったい日々の中でどんなことをどんなふうに感じていたのだろうか。若かりし頃の祖母の心に、ほんの少しでも近づけるのではないか、そんな気がしています。

まださらっと数ページ眺めただけですが、100年弱という時の隔たりを感じさせない、みずみずしいひとりの女性の人生、感性と感情、それは現代と全く変わらないということにとても驚いています。そして、嬉しい。

ゆっくり読みたいと思います。

ご主人亡き後、ずっとどなたともご結婚はされず独身を通されました。その人生を振り返り、

「人に後ろ指を指されず後家として生きることはとても大変だった」とおっしゃっています。

そのこと知ってより、改めて眺める前述の、ゆるやかに着て~ の句。

深いですね。


いろいろ用事も多い夏なのですが、まだ読んでいな小説も少し溜まっていて、楽しみ。

動と静、元気に活動しつつ、静かに読書も楽しもうと思っています。

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