梅一輪 ::: 2016.02.06 Saturday
- Tomoko Arahori
- 2020年7月30日
- 読了時間: 6分

2月に入り、陽射しもだんだんと明るくなってきましたね。 日脚も伸びてきて、夕方の過ごし方に私はちょっぴり心の余裕が
出てきました。この写真はすぐご近所に咲いている梅の花。
背伸びして顔を近づけるとほんのりととてもよい香りがしています。 そのすぐそばでは沈丁花の花のつぼみがだいぶ膨らんで 今にも開きそうです。
今年は暖冬の影響で、各地で狂い咲きする花も多かったようですが、
それでもちゃんと季節を感じて、芽吹き、花開くことができる木々や 草花の能力ってすごいなぁと思います。
寒いのは嫌いではないですが、得意というわけでもないので、
暖かい春の訪れはとても待ち遠しいのですけれど、そんな風に思っていると
あっという間に季節が過ぎ去ってしまい、また年末になってから、
一年を雑に過ごしてしまったような気持ちになってしまいそう。
なので、日々つれづれを、季節の移ろいや歳時記など、細かなところにも
気持ちをフォーカスして、のんびりゆっくり過ごそうと思います。
ルル散歩は様々な発見があります。そして、物事をあれこれフォーカスして考えるのにも最適で健康的な時間。 ルルの散歩というよりも飼い主の私の散歩の時間だなぁと最近気づきました。(笑)
昨日、八百屋さんで甘夏を見かけ、気が向いて、ふたつほど買ってきました。
最近は果物全般にも言えることですが、八朔も甘夏も夏みかんも、皮の厚い和の柑橘達はずいぶん甘みが増しましたね。
小さい頃、甘夏のどこが甘いんだろう、これは嘘っぱちの名前だと思っていましたから。
あまりにもすっぱくて、こどもの私たちが食べないと、母は皮を全部むいてお砂糖をまぶしてマリネしてくれたこともあります。当時の甘夏は、深緑色の葉っぱの模様が描かれた透明なセロファンにくるまれて売られていました。
箱で買った時は、そのセロファンは折り紙のようにまとめてポン、と甘夏の上にのっかっていました。
私の実家は当時、裏庭に面していた北の廊下の奥がみかん箱等の定位置。食事の後、みかん持ってきてよ、と親に頼まれるとぬくぬくともぐっていたこたつから這い出して、小走りで取りに行きました。
みかん箱の中身はその時々によって温州蜜柑だったり八朔だったりですが、甘夏の時は、そのセロファンも一緒に数枚持っていくと、母はそのセロファンの上に、食べやすくむいてくれました。
あのセロファン、最近見かけませんが、まだあるのでしょうか。甘夏も売り場に並ぶ果物の中ではかなり少数派になったように思います。以前よりだいぶ甘く、食べやすくなっても、他の果物に比べたらまだまだ酸味が強くて敬遠されるのかもしれませんね。昨夜は甘夏の皮に包丁で十文字に切れ目を入れ、ぐっと力を入れてむいた時、シュッと立ち昇った果皮のさわやかな香りをかぎながら、昔に思いを馳せました。みかん箱のあったあの廊下の電灯や、当時の冬の部屋着だった袢纏や、炬燵の上掛け布団の模様。上掛けカバーでみかんを食べて濡れた手をこっそり拭いたりもした記憶も。(笑)
こういうのもプルースト効果というのでしょうね。

こちらは1月のテーマのお菓子、マロンとカシスのケーキです。
これは私が自分で作るお菓子の中でも特にお気に入りの、大好きな味。
カシスのピュアな酸味が、マロンの美味しいケーキをキュッとまとめています。
作り方も簡単、そして、いくらでも食べられそう。
ご参加いただいた皆さんにもとても楽しんでいただけて、
また、ご自宅でご一緒にお召し上がりになられたご家族様の、 ご感想とご反響もたくさんお聞かせいただき嬉しかったです。
最初は、栗とカシスの組み合わせ??しかも焼き菓子?と、 はてなマークが浮かんだ方もいらしたかもしれません。 でも、この相性の良さ美味しさはとびっきりです!(^m^)
このケーキは今年の秋に単発でのリバイバルを予定しています。
Sさんより青森はカシスの名産地でもあるという 素敵なことも教えていただきました。
秋には青森のカシスを使いたいなと思っています!


今月と来月の教室はお休みとなりますが、4月と5月は、マニアックマドレーヌ教室となります。
先日、生地を10種類作り、条件を様々に変えて20回以上焼き比べをしました。
お菓子教室を始めた時から、このマニアックマドレーヌの会は是非いつかやってみたいなぁ、とずっと温めていた企画で、
去年の夏から少しづつ時間をかけて、レジュメを起こしてきました。
同じ配合でも、粉を変えるとこんなに違うんだ、焼成時間や温度を変えただけでこんなに変わるんだ、
百聞は一見にしかず、ということわざを身をもって体験しています。 自分自身もたくさんの新しい発見があって、とても楽しく心躍る作業です。
私の選んだレシピと、その出来上がりのマドレーヌのレポートを細かくお話しながら、数種類ご試食をしていただきます。
あらかたイメージを掴んでいただいてから、ご提案する10個のレシピの中よりご興味が湧かれた、作ってみたい レシピを4つ決めてください。 そして、小麦粉、香料、砂糖、蜂蜜もそれぞれお好きなものを組み合わせて作ってください。
粉は6~7種類、蜂蜜、砂糖、フレーバーも数種類づつご用意します。
こんな風に、今回のマドレーヌ教室は、お客様ひとりひとり、作リあげるマドレーヌが違います。
生地を寝かした場合と、寝かさない場合の違いもご自身の目で確かめていただきたいので生地は、お持ち帰り分も含めて多めの量となります。 ご同席された方と、違う配合のマドレーヌをレシピと一緒に交換しあったりするのもおもしろいのではないでしょうか。 こんな風に、いろいろ比較検討してから、「私はこの味が一番好き!」とご自身のマドレーヌの配合を決めることができたら、とても楽しい気もちになれるのではないかなって、思っています。 粉も、おそらく皆さんがそれぞれ普段お菓子作りにご愛用されているものとは違う顔ぶれも材料の中にあると思います。 使ってみて気に入った粉や、使わなかったけれど使ってみたい、気になる粉は、小分けでお譲りもしたいと思っています。 2か月に渡っての2名様づつの教室の為、通常の教室とは形態が異なりますので、ご参加のご希望はなるべく全て、日程を調整してお受けする予定でいます。 (以前にこちらへご参加いただいたことのあるお客様のお申し込みについては、必ずお受けいたします)詳細はまだ未定なのですが、シンプルなものほど実は奥が深くて、正解は作り手の数ほどあるのだな、と、今、企画を進めながらも、興味はどんどん深まっています。 マドレーヌって日本では、それも大きなお菓子屋さんでは特に、エイジレスとともにひとつづつ密封されて、日持ちのするちょっとした贈答品、のような立ち位置のものが多いようです。でもフランスの街のお菓子屋さんパン屋さんでは毎日焼き上げる定番のお菓子。フランスの味と日本人好みの味と食感、その中でも年代による好みの違いなど、いろいろ考慮する背景がありますが、私の中でマドレーヌは、日持ち長持ちの考慮はしない、食べたい時に焼いて食べる、生き生きとした状態を愛でるお菓子だと思っています。 今回もそれを軸に考えているのですが、でもでも、そうではなく日持ちをさせたい時に使う、定番以外の材料の使い方もお話するつもりです。 使用するかしないかにかかわらず、いろいろなことを知りたい気持ち、好奇心はとても大切なものだと思います。知っていて使わないのと、知らないで使わないのとでは、違いますものね。(^^) 今回は、4種のマドレーヌを焼くこと、小麦粉の話、マドレーヌ周辺のお話などもしたいので、お時間も少し長くかかるかもしれません。(もちろんご軽食もございます。^m^ )
3月中旬には、詳しいご案内をいたします。それまでは時々日々つれづれなど、つぶやいて更新していきますね。 春にお目にかかれますこと、楽しみにしています!
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