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神無月 ::: 2015.10.05 Monday

  • Tomoko Arahori
  • 2020年7月30日
  • 読了時間: 3分













10月に入りました。

先日、近所の八百屋さんで青いみかんを見つけて嬉しくなって買ってきました。青いみかんの甘酸っぱい美味しさは、毎年ちょうど今頃の、数週間だけのお楽しみですね。

 現在は、5月や6月に運動会を行う学校が多くましたが、私が子供の頃は運動会と言ったら秋で、10月第1週第2週、の日曜日の事が多かったです。私の母は、梨やりんごと一緒にこの青いみかんもよく持ってきてくれたので、秋晴れの空の下、校庭に縞々模様のレジャーシート(当時はレジャーシートと行ったらこの模様でした)を敷いて食べたおにぎりや唐揚げ、青いみかんは思い出の味です。午後の競技があるというのに、お腹いっぱいお弁当を食べて、さらに仕上げのように食べた青いみかん。(笑)懐かしいです。

青い蜜柑絡みで個人的思い出をもうひとつ。

徒然草の中に、何段だったか、「神無月のころ」という話がありました。

10月頃に、とある山里を訪ねて苔の細道を奥へ踏み分けていった吉田兼好は、もの寂しい様子で立つ1軒の民家を見つけます。静寂な山里で、落ち葉に囲まれた、さびれた風情ながらも菊や紅葉が飾られている様子にいい感じだな、としみじみするのですが、ふと庭の向こうを見ると、たくさん実の付いた大きなみかんの木があり、その周りは頑丈に(盗まれないように)囲いがしてあった。それを見た瞬間、一瞬にして興醒めしてしまい、がっかりだった。

というような話です。

中学で習いましたが、多分ちょうど10月頃だったのでしょうね。私は少し黄色く色付き始めた青いみかんが鈴なりの状態を連想したのです。青いみかんの成る木に網が張られている様子を。(笑)

そういうみかんじゃなかったのかもしれませんが、私の脳内では固定化されてしまいました。

そんなわけで、毎年、青いみかんを見かけると自動的に始まる私の回想は、運動会のお弁当とこの徒然草の話なのでした。

昨日の夜もご飯のあとに青いみかん、食べました。

黄色と緑のグラデーションのピチッとした皮に、指をグッと入れた瞬間、部屋にパーッと広がるさわやかな香気。「あぁこの匂い!いい匂いだぁ。。」と、また思い出がリロードされたのでした。


週末に、今季初めてのりんごのお菓子を作りました。

買ってきたのは真っ赤な秋映。4つ皮をむき、しっかりと火を入れました。

秋映は甘酸っぱくて、実もしっかりしていてそのままはもちろん、お菓子に仕立ててもとても美味しいりんごです。

私はお菓子にはフジやこの秋映をよく使います。

皮は剥いたらいつもそのままパクパクと食べてしまうのですけれど、食べきれない位たくさん剥いた時は、ミキサーにかけて、ギュッと漉して、飲んでしまいます。ポリフェノールやビタミンがいっぱいの濃くて美味しいりんごジュースになります。 果物は、皮とその周りに栄養が多いので捨ててしまうのはもったいないですものね。このエコクッキングは、美容と健康にもグー。(^^)


写真のお菓子は、その秋映のタルト。

パータ タルトというりんごのお菓子によく使われる生地があるのですが、その中にこのりんごをたっぷりと詰め、紅茶の香りを加えたスイスのアーモンドクリームを上からかぶせて焼き上げました。

焼きあがりに杏ジャムを塗って、上からフォンダンをかけました。

りんごのお菓子が食べたい!と即興で、勢いで作ったのですが、上品にまとまった美味しいおやつになりました。


もうひとつ、早生もののフジでタタンのようなテリーヌ。シナモン風味の焼きりんごに秋だなぁと思いました。

形を整える前で、少しくびれがあるのが御愛嬌。食べた時あぁ、今バニラアイスがあったなら!!と、思いました。


明日より、10月のテーマ、パンプキンパイの教室がスタートいたします。

お申し込みを頂きましたお客様、お待ちしておりますね。どうぞ気を付けてお越しくださいませ。

お会いできますこと、楽しみにしてお待ちしております!


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