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香りの記憶 ::: 2014.09.30 Tuesday

  • Tomoko Arahori
  • 2020年7月29日
  • 読了時間: 5分

 今日は秋晴れのさわやかな良いお天気でした。

 今年もとうとう数日前に、金木犀の香りを見つけました。

 甘く可憐で、本当にいい香り。

 湿度のない乾いた風の中で香るからきっと、

 さらりとした余韻なのでしょうね。

 これが雨の、湿度の高い季節だと、

 またちょっと違ったニュアンスになるのかな。。。

 でも、とにもかくにも、

 またこの季節がやってきたなぁ、と嬉しい気持ち。

 これからシャツ1枚で快適な数週間は、一年のうちで

 心から好きな期間です。

 さてこちらは、木場に夏オープンしたall Pressさんのコーヒー。

 9月の連休に行ってきました。

 普通のブラックコーヒーが飲みたかったのですが、

 残念ながらお豆が準備中とのことだったので、

 エスプレッソベースでラテにしました。

 ミルクのフォルムがしっかりしていて

 おいしいコーヒーでしたよ。



 先日、ワールドビジネスサテライトで にわかにコーヒーの街になってきているこのご近所エリアが

  特集されていました。個性的なコーヒー屋さんやカフェがオープンし、

 年末にはブルーボトルさんも準備が整うとのこと。街がどんな風に変わっていくのか、楽しみです。



話は変わりまして、先日、人生における『ときめき』について、Nさんという同い年の素敵な女性と話をしておりました。

あれこれ話しながら、この数年で私が一番ときめいたことってなんだろうなぁと考えていて、久々によみがえってきたのは、1杯のコーヒーの記憶でした。そう、まさに、ここ数年間の中で、私にとってのときめきNO.1は1杯のコーヒーなのです。


青山のはずれに、KOYOTEなどを出版しているスイッチパブリッシングの本社があるのですが、

このビルの地下に、RAINYDAY BOOKSTORE AND CAFEというとても居心地のいいカフェが

あります。場所柄もあり、その存在を知っている人だけがやって来る、隠れ家的なカフェです。

出版社のカフェですからセンスのいいセレクトの本がたくさん並び、気に入ったものはもちろん買うこともできます。

(現在は不定期営業中のようです。近いうちに確認します)

時々対談その他、いろいろなイベントがひっそりと行われているのですが、ある日私はサイトで見つけてしまいました。

「片岡店長、来たる!」の文字を。

片岡店長とは、KOYOTEにもエッセイを連載されていらした、作家の片岡義男さんです。

その片岡さんがRAINYDAY BOOKSTORE AND CAFEの一日店長となって、ご自身の手で、

1杯1杯、ペーパードリップでコーヒーを煎れて下さるというのです。豆は片岡ブレンド。片岡さんのブレンドです。

私は学生時代から片岡義男さんの作品の大ファンでした。

片岡さんの短編小説に登場してくるような、都会的でセンスあふれる素敵な女性にいつかなりたいと憧れ、同じく、

登場してくる主人公の男性のような人と出会えたらいいのにと密かに思っていました。

とはいえ、それが私の好みの男性なのかというと違うのですが、なんというか、親しい友人で身近にいたらと願い、またその男性像を作者ご本人である片岡さんと重ねて読んでいたのだと思います。

もちろん、あのような素敵な女性には、とうていなりたくてもなれませんでした。(笑)


ブラックのコーヒーを飲めるようになったのも、片岡さんの小説の影響だと思います。

絶妙な素晴らしいシーンで、美味しそうなコーヒーが出てくるのですよ。


~ 冬の夜更けに帰宅した、冷えたキッチンで。

~ 秋晴れの日の、午後遅い時間と夕方の、ちょうど合い間のような時間に1人で過ごす部屋。


と、こんなシチュエーションで。

読んでいると、本当にコーヒーの香りが漂ってくる様だったのを覚えています。

私は夏もコーヒーはホットが好きなのですが、それも、多分始まりはここ。

そのコーヒーを、片岡さんが煎れて下さるそのコーヒーを飲むことが叶うなら、これはもう、絶対に行こうと思いました。

 で、行ってきました。(^^)

まだ子供達、下の二人なんかお留守番できない園児でしたから、主人にお願いしました。

冬の土曜の午後でした。

今でこそ、バレーだなんだと、夜にしょっちゅう外を出歩いていますが、その当時は3人の育児、家事その他、家の中の事は、ほぼ97%は私一人で回していたので、1人で自分の為だけの夜の外出は、かなり久しぶりで、非日常でした。

それでも、こんな機会はきっと二度とないわ、とスカートを履いて、マックスマーラでコーディネートしておしゃれして出かけていきました。


そして、あの夜のことは私の胸の中だけの秘密。。。(^^)


なにしろ十数年に渡る憧れのかたとお会いできたのですから、たった1時間足らずとはいえ、それはそれはもう幸せな時間でした。


今でもあの時のコーヒーの味、しっかり忘れないで覚えています。

テーブルに並べられた10杯のコーヒーの中で、あの時のコーヒーを当てろ、と言われたら当てる自信があります。

片岡さんも、とてもダンディで知的で、思っていた通りの素敵な方でした。

声がまたとても私の好きな声で。。。ずっとお声を聞いていたかったです。^^;

コーヒーを煎れて下さっていたお姿、今でも目に浮かびます。

でもね、その時私がふと思ったことは、

こんな風に、彼からプライベートでjust for you、と1杯を煎れていただける女性って、どんなに素敵なかたなのだろうな。。。という事でした。


ふふふっ。


本当はこの日、お会いしたいですね、もしかしたらこの日に会えたらいいですね、とお話していた女性がいたのですが、残念ながら時間が重ならず、叶いませんでした。お元気でいらっしゃるでしょうか。 大型のオートバイを乗りこなす素敵な女性です。

このことも全て丸ごと、あのコーヒーの味と香りの記憶に繋がっています。

Nさんのおかげで、久しぶりに思い出す事ができました。ありがとうございました。


コーヒー、普段家では酸味の少ない好きな味のものをスーパーで選んで、自分で煎れて飲んでます。

ペーパーだったり、フレンチプレスだったり、時々ネスプレッソでも飲むけれど、でも、自分ではなくて、誰かに煎れてもらって飲むコーヒーは格別ですね。

ただもう最近は、すっかり思考が主婦なので、ワンコインのお楽しみは、外での1人コーヒータイムよりも、

大好物のネクタリン2個!とか、青い蜜柑1袋!の方に選択の軍配が上がってしまいます。(笑)

今は、外で飲む美味しいコーヒーは、1人ではなく、仲の良い友人と一緒に楽しみたいかな。

夜になると少し肌寒さを感じます。

だんだんと、ホットコーヒーの季節になってきました。



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